2008年03月26日

不動産屋の泣き所は「不公平な法律」

不動産の購入申込みについては、
業者としては納得できない法律などが多い。

一般的に、何かを買う場合、
手付金を差し入れるのは商習慣として
世界中どこへ行っても当然の事である。

ほとんどの不動産業者はキチンと事務所を構え、
会社を維持するコストを払い、
税金を払っている真っ当な不動産業者である。

つまり、広告を見てフラッとやって来て、
名前も名乗らなければ住所も教えてくれない、
身元を明かさない一般人よりは
信用力があると見做されるべきだ。


見ず知らずの他人がやって来て

「この物件を買うつもりなので、
 他の人には売らないでください」

と言われ、何の代償(つまり手付金)
も無しに物件を止めるようでは、
その会社は早晩、倒産するであろう。

なぜなら、土地を保有しているだけで税金がかかるし、
ほとんどの業者は銀行から資金を借りて
土地を仕入れるので、金利もかさむ。

万一、客に
「やっぱり買うの、や〜めた!」
と言われたら、それで終わりである。


業者からすれば、買い手は誰であってもいいワケだから、
手付を入れてくれない、つまり言い換えれば、
信用できない人のために物件を止めるのはリスキーだ。

「商談中」として物件を止めている間も
金利・税負担は続いているし、
物件を止めなければ、もっといいお客さんが現れて
即断即決してくれるかもしれない。


ところが、宅建業法では
・手付金
・申込金
・内金
などのいかなる名目であっても、
不動産の購入に際して授受する金銭は、
商談が不調に終わって契約に至らない場合、
全額を返還しなければならない、とされている。

よくある「買付証明書」に署名捺印し、
「申込金」として10万円程度を添える習慣があるが、
この「申込金」も返還の対象になっている。

つまり、手付金という概念や商習慣を否定しているのだ。

ただし、商談が成立し、重要事項の説明を終えた後、
正式に契約すれば、その手付金は買主に返す必要はない。

*厳密に法の解釈をすれば、
決済時、既に受領済みの手付金は返し、
物件を引き渡す代わりに売買代金全額を新たに受け取る、
という事ですが。

そして、契約成立後なら、万一、解約した場合、
物件価格の20%を上限に違約金を取る事ができる。

これも、逆に売主側から解約した場合でも
違約金は買主に支払われるのだから、
どちらが有利不利というものでもなく、
買主が不利な条項ではない。

「不動産のプロである業者は、無知な一般人より
 有利な立場にあるので、業者を厳しく規制する」
という意図だが、
法律を勉強し、かつ業界で実務に携わった者から見ると、
著しく買主有利であるという感は拭えない。

今回のネタは、
不動産業者は胡散臭い、という偏見に対する反論です。
業者の辛い面も知っておいて頂きたい、
という気持ちから、敢えて書かせて頂きました。


この項を書いていて思い出した事を
次回に書いてみます。



ラベル:手付金
posted by fudousan-eigyouman at 12:00| Comment(0) | 不動産業界で働く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月19日

中古マンションを買う際の注意

マンション(正式には区分所有建物と呼ぶ)は、
多くの所有者と共有する部分が多いため、
細かい問題が起きやすい。

売買の際に仲介業者が調査するのが
・管理費・修繕積立金の額、
・別途、共益費を徴収するならその額、
・上記の滞納の有無、
・修繕積立金がいくら積み立てられているか、
などなどがある。

上記の項目は、
売買の対象となる物件についてのみの物と、
マンション全体の物とがある。

滞納などについては、
当該売買物件のものしか調べない。

ココに落し穴があって、
当該物件の売主は滞納していなくても、
同じマンション内のその他の大勢の所有者たちは
滞納しているかもしれない。

現に、滞納している所有者がいるケースは
意外に多いと見るべきだろう。

大規模修繕の場合、
タダでさえ積立金だけでは足りないのに
滞納者が多いと、
マンションそのものの存続が危ぶまれる。


駐車場もトラブルが起きやすい。

駐車スペースは白線で区切られているものだが、
世の中には変わった人が多いもので、
必ず、ワザとハミ出して駐車する人が居たりする。

意味無くハミ出す人も居れば、
駐車スペースの後ろの方に荷物を置くため
その分、車の前部分がハミ出す場合もある。

また、概してこういう人が滞納しているものである。

こういう人が近くにいるだけで、
不愉快な思いを長年に渡って強いられる事になる。


中古マンションを買う場合は、
数字で見える項目と共に、現場を何度も見て
異常がないか、確認する事が大事です。

(新築マンションだとそれもできないが、
 新築を買う余裕のある人なら、しばらくは滞納しないでしょう)



posted by fudousan-eigyouman at 13:38| Comment(0) | 家探しノウハウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月12日

農地を買うと安くつくか?

分譲地の土地価格を尋ねてきて、
例えば坪100万円だと答えると、

「高すぎる!近所の田畑なら、
 60万円で売り出されている所もある」


という人がごくたまに居る。


こういう客には、正直、

「じゃ、その田や畑を買えば?」

と言いたいところだが・・・

例え買ってくれない客であっても、
そんな憎まれ口をきくわけにはいかない。

何かの条件がクリアされれば、
坪100万でも買ってくれる可能性があるのか、
それとも、絶対に60万でなければ買わない客なのか、
一言二言、会話をしてみる。

まあ、ほとんど徒労に終わるのですが。


さて、一般人が勘違いしているのは、
土地があればすぐにでも家が建つ、
と思っている事だ。

実際には、

1.法的に家を建てられる土地(地区・地域)なのか?
2.物理的に家を建てられるか、又、
  建てられるとして、いくらコストがかかるか?

上記2点が問題となる。


1.の「法的に」とは、以前に述べた
「幅4m以上の公道に2m以上接しているか?」
また、
「市街化区域か、市街化調整区域か、未線引き区域か?」
などがある。

それぞれ「例外」や「抜け道」があったり、
また、グレーゾーン上であっても、そのレベルにも拠る、など、
一概には言えないが、
法的にダメな土地には家は原則、建たない。


原則、市街化区域は建てられ、調整区域は建てられない。
未線引き区域は建てられる。(但、ほとんどがド田舎である)
調整区域にも「白地」と「青地」があり、ややこしいが、
この区別は農家以外の一般人には縁のない話です。
接道状況についてはいろんなパターンがあるので省略。




次に、2.「物理的コスト」の問題。

例えば、田舎の農村や京都の町屋などで、
トラックが入れない細い道を通らないと敷地に行けない場合、
建築資材を人力で運ぶ必要があり、
その場合、目に見えないコストが相当にかかる。


また、上記のような田畑の場合、
・登記簿の地目が農地(田や畑など)の場合、
 地目変更をしなければいけない。
 農区の印鑑をもらい、役所に届け、受理承認された後、
 司法書士に頼んで法務局に申請してもらう事になる。
・敷地前面に側溝がない場合もある。
 排水雨水の処理ができないと、建築確認は許可が下りない。
 側溝を作るとその分の面積が減るし、かつ、その工事代金は高い。
 (10万円などというレベルではない)
・道路は国か自治体の所有なので、前面側溝を作る際、
 境界確認の相手方は国・自治体となり、
 その手間暇&コストは民間相手よりもかさむ。
 融通も利かず、
 立ち合いの日程は役人の都合に合わせなければならない。
・前面側溝があっても、幅の広い溝だと、
 側溝に橋を架ける必要があるが、
 地元の農区の了解を要す事も多く、
 その場合、タダでは了解は得られない。
 (一桁で済めば、安い方ですね)
・農地などは境界が曖昧な場合が多い。
 また、里道がからむ場合、すぐには境界確定できない。
 (里道=あぜ道は基本的に国の所有で、
 払い下げなどの手続きを経る事になる)
 里道の件は後で処理するとしても、
 後々、費用がかかるのは同じ事ですね。
・盛り土をかなりやらないといけない場合も多い。
 盛れば盛るほど、地盤を固めるには金と暇がかかる。
・隣地も田畑だと、グルッと擁壁をこしらえる必要もある。
・前面道路に水道管が通ってなければ、
 自己負担で水道管を引かねばならない。
・水道管は通っていても、
 「昔の管で口径が細いので、
 これ以上家が建つと水圧が下がるので、
 口径を太くしなければ水道は引かせない。
 その費用は自己負担してください」
 と市役所が言うケースも頻繁にある。
・前道に水道管は通っていても、
 自分の敷地に引き込むには金がかかる。
 負担金が10万円以下の自治体もあれば、
 100万円近く払わないと引き込みできない自治体もある。
 (信じられないでしょうが、実在します)
・地盤の問題もある。地盤が緩いと家が傾く危険がある。
 それを避けるには、杭を打たねばならない。
・下水も同様、浄化槽を入れる場合、
 地元農区の了解を必要とする場合がほとんど。
・前面道路に歩道がある場合、歩道は車道より高いので、
 敷地に車が入れるようにするためには、
 歩道の切り下げ工事が必要になる。
 歩道の所有者・管理者は市町村または国なので、
 彼らの許可を得なければならないが、これが大変。
 市役所や土木事務所に申請書類を提出する事になるが、
 一般人が自力で作成するのはほぼ無理である。
・安いから、という理由で広い土地を買い、
 地積500u以上の敷地に建築する計画を立てると、
 ”小規模開発”の網にひっかかる自治体が多い。
 すると、開発許可が必要になり、個人の手に負えない。


キリがないので、このヘンでやめておきますが、
土地があるだけでは家は建たない、という事を
頭の片隅に置いておく必要があります。

<結論>
安いには、それなりの理由があるという事です・・・


*トレーラーハウスなら、置くだけなのですが、
それでも水道、下水、歩道、橋、境界などは解決しないままですね・・・
しかも、土地にかかる税金(固定資産税・都市計画税)は
トレーラーハウスの方が高くなってしまいます。



ラベル:土地価格
posted by fudousan-eigyouman at 12:00| Comment(0) | 家探しノウハウ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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