木造建築で使う材木は、
・檜(ヒノキ。)
・栂(ツガ。トガとも呼びます)
・米松(べいまつ。北米産の松ですね)
などが主流です。
が、たまに杉を使う場合もあります。
特に、田舎の注文建築ではよく使います。
杉の欠点は柔らかいことです。
水分を多く含んでいるため、柔らかいのです。
そのため、どんどん木が痩せていきます。
梁に杉を使った場合、
少し重量がかかるだけでも、
その部分が大きく沈んでしまいます。
だから杉の値段は安いのです。
「絞り丸太」という床柱として使うには
杉材は最高にいいのですが。
さて、ここで、先週・先々週に引き続き、
情熱大陸で紹介された宮内建築の話です。
番組では、施主の希望で
杉を使うことになった物件の話をやっていました。
どうするのかと見ていると、
宮内さんの非凡さ(施主の非凡さでしょうか?)
を示す方法が採られていました。
即ち、
2年間(←だったと思います)、
宮内さん所有の貯木池に浮かべておきます。
これは、樹液などを排出させるためだそうです。
確かに杉を使うと、
建築中にも樹液がタレてきたりします。
樹液などを排出させておくと
痩せにくくなるのは確かでしょう。
その後、半年間、天日で乾燥させます。
そしてようやく、建築にかかります。
この方法は今では、
有名な大神社などにしか採用されないようです。
半年も乾燥させれば、ほとんど水分は抜け、
木は堅く締まっていることでしょう。
杉の欠点はなくなっているはずです。
しかし・・・
材木というのは高価で、コストの多くを占めています。
それを買ってから2年半も寝かせ、
更に建築期間も含めると3年くらい、
材木代を回収できないでいるのです。
このコストは、最終的には施主が払う事になります。
もう一つ心配なのは、
材木が反らないかどうかです。
半年も寝かせると、
かなり反ってしまうんじゃないか、
と思ったりもします。
次に、
20坪2LDKの家で筋交いなしの家の話。
この家を建てるのに、約1年間かかっています。
宮内さん考案の「挟み梁工法」という
新工法で建てたのも理由の一つです。
筋交いを入れないのが施主の希望だったため、
普通の工法では躯体が弱くて
建築の許可が下りないからです。
前々回にも書いたように、
筋交いを入れない代わりに、
大量の木材を使って補強しなければなりません。
結果、通常の4倍の材木を使って、
強度を保っています。
恐らく、
私たちが十分満足できるレベルの家を建てる、
その2倍以上の代金を施主は支払っているでしょう。
最後に。
宮内さんの自宅は、
平凡でありふれた仕様の家でした。
そして、教師である奥さんが
「ウチの家の新築はいつになる?」
と宮内さんに尋ねると、宮内さんは
「お前の名前でローンを借りられたらな!」
と答えていました。
半分はテレビ用の冗談でしょうが、
半分は本音でしょう。
大工のほとんどは、年間の所得を
100万円前後で確定申告しています。
(理由は、税金を払いたくないからです)
宮内さんがいくらで申告しているのか
知る由もないですが、
彼ほどの人物なら相当な所得があるはずですけどね〜
再度、念を押しておきますが、
宮内さんのやり方を批判している訳ではありません。
彼は素晴らしい腕を持ち、
高い理想を持つ尊敬できる大工です。
が、一言で表現するなら、
一般人には縁のない「芸術家」ですね。
←ポチッと応援お願いしま〜す!
posted by fudousan-eigyouman at 03:16|
Comment(0)
|
新築工事
|

|